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落書きたち
だから、遠くにいて
久々に会った嫌いな人との会話が楽しかった。
頭が良くて、私と価値観が似ていることは随分前から分かっていた。でもその人と話す度に、少しくだらないことを話す大事な人が、うざったく感じてしまう。それが嫌だ。
遠く離れてしまったものは、近くのものより好きになれる。どうしてだろう。本当に大事なのがどちらなのかも、最後に取るのがどちらなのかも分かりきっているはずなのに。
宝石の国でダイヤが言った、「遠くのボルツは大事に見えるの」という言葉が、なんだかいっそう沁みている。どんなに苦手でも憎たらしくても、自分が惨めに感じられるから一緒に居たくなくても、離れてしまえばなんてことはないのだ。
ただ、あった温もりが消えてしまって、その分空間が生まれて、寂しくなるだけだ。
全部大事にしたい。何も憎まないでいたい。自分だけを好きになれないだけで、もう十分だと思う。他のものが全部大事にできて、好きのままでいられて、必要に迫られた嫌悪を抱かなくていいのなら、私は自分を好きになれなくてもいい。
スカートを履かせてみたかった。月に光る君はどんな姿になっても美しいよ、優しいフォスフォフィライト
死に行く君の独白
雨が降ってる日にプールとか海に潜ったこと、ある? 下から見上げるとね、灰色の空がちゃんと見えるのよ。それでね、水紋は途切れないの。当たり前よね、雨が降ってるんだもの。 それから、段々と体が冷えるの。雨の日の水って、夏でも意外と冷たいのよ。寒くって。
鳥肌が立った時に、どうしようもなく不安になるの。どんよりした空がね、今この水の中に、この世界に私しかいないんじゃないか、ってそう思わせるの。 もし今私が溺れたら、誰か助けてくれるのかなって。それでね息を吐くの。底に暫く沈むの。きっと人はそういうふとした瞬間の思いつきで死ぬのね。
1分もそうしていたら、誰かが私の手を引いてくれるのよ。迷惑な女よね。でもね、その手がまた冷たいから、私は安心できるの。 この水の中には誰かがいるって。 そういうことって、あるでしょ?




